2007/09/15
IAEAへの公開書簡
先週、IAEAの理事会が開かれていましたが、その中で、エルバラダイ事務局長は、新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発の被害について、日本政府の説明に沿って、原子炉は安全に停止し、放出された放射能も微量で健康面からも環境面からも安全なレベルであり、地震による原発施設へのダメージも原発の安全性を脅かすものではない、とコメントしました。これに対し、私たちは、9月14日、エルバラダイ事務局長のコメントを憂慮し、下記(→「続きを読む」へ)の公開書簡とともに、8月21日に発表した「声明」をIAEAに送付しました。
この公開書簡の中で、私たちが強調したのは次の二点です。
●2006年に改訂された耐震指針に照らせば、柏崎刈羽原発を今後も稼働させることは出来ないはずであり、そのことを日本政府は8月に柏崎刈羽原発を調査したIAEAの調査グループに知らせていない。
●柏崎刈羽原発周辺において、新たな大地震が起こる危険性を否定できないことについても、日本政府がIAEAの調査グループに知らせていない。
新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発の被害については、海外からの関心も高まっていますし、今回のような重大な事例については、科学的な検証は、国際的にも開かれたかたちで行われなければなりません。
その意味では、政府や東京電力による説明だけが一人歩きをするような状況は避けなければなりません。
私たちとしても、世界に向けた情報発信や問題提起を積極的に続けて行く考えです。
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